Alan M. Davis 用語集を保守すること

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NATとNAPT(IPマスカレード)の違い

NATは、ローカルIPとグローバルIPを相互変換します。

これに対し、NAPT(IPマスカレード)は、ローカルIP+ポートをグローバルIPに相互変換することで、LAN内のデバイスを明確に特定します。

定義と具体例

NAT

NAT(Network Address Translation)は、プライベートネットワーク内のデバイスがインターネットと通信する際に、内部のプライベートIPアドレスを公開されたグローバルIPアドレスに変換するネットワーク技術です。

  • LAN内IPアドレス(Local IP Address)

    ローカルネットワーク内のデバイスが使用するプライベートIPアドレス。例えば、192.168.1.1など。

  • LAN内ポート番号(Local Port Number)
    LAN内のデバイスが使用するポート番号。通常、デバイスごとに異なるランダムなポート番号が割り当てられます。

この変換により、多くのデバイスが同じグローバルIPアドレスを共有し、セキュリティとネットワーク管理を向上させます。

LAN内IPとWAN側IPを相互変換し、Webサーバと通信する例です。

LAN内IP WAN側IP Webサーバ
192.168.30.3 111.1.11.111 222.2.22.222:443

NAPT

NAPT(Network Address and Port Translation)は、ネットワーク通信におけるIPアドレスとポート番号の変換技術で、以下の用語を含みます:

  • LAN内IPアドレス(Local IP Address)

    ローカルネットワーク内のデバイスが使用するプライベートIPアドレス。例えば、192.168.1.1など。

  • LAN内ポート番号(Local Port Number)
    LAN内のデバイスが使用するポート番号。通常、デバイスごとに異なるランダムなポート番号が割り当てられます。

  • WAN側IPアドレス(WAN IP Address)
    ローカルネットワークから外部のネットワーク(通常はインターネット)への通信に使用されるグローバルIPアドレス。

  • WAN側ポート番号(WAN Port Number)
    ローカルネットワーク内のデバイスが外部のネットワークと通信する際に使用されるポート番号。通常、ランダムに割り当てられます。

NAPTでは、LAN内デバイスの通信が外部のネットワークに対してグローバルIPアドレスとポート番号に変換されます。これにより、複数のLAN内デバイスが同じグローバルIPアドレスを共有しながら、異なるポート番号を使用して通信できます。通信の往来は内部ポート番号とグローバルポート番号の対応関係によって識別され、正確な通信のルーティングと識別が可能になります。

LAN内IP+ポート と WAN側IP を相互変換し、シグナリングサーバと通信する例。

LAN内IP LAN内ポート WAN側IP WAN側ポート シグナリングサーバ
192.168.30.3 12345 111.1.11.111 443 222.2.22.222:443
192.168.30.4 23456 111.1.11.111 443 222.2.22.222:443
192.168.30.5 34567 111.1.11.111 443 222.2.22.222:443

備考

  • シグナリングサーバ(Signaling Server)
    通信の調整やセッション情報の管理を行うサーバー。例えば、VoIP通信やWebRTCのセッション管理に使用されます。LAN内のデバイスを特定する必要があります。WEBサーバと違ってNAPTが必要です。

関連資料:


更新日:2023-09-15