Sam Lightstone 上司を驚かせてはいけない

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令和5年 春期 AM2 問4

ハッシュ関数の性質の一つである衝突発見困難性に関する記述のうち, 適切なものはどれか。

選択肢
SHA-256の衝突発見困難性を示す, ハッシュ値が一致する二つのメッセージの探索に要する最大の計算量は, 256の2乗である。
SHA-256の衝突発見困難性を示す, ハッシュ値の元のメッセージの探索に要する最大の計算量は, 2の256乗である。
ハッシュ値が与えられたときに, 元のメッセージの探索に要する計算量の大きさによる, 探索の困難性のことである。
ハッシュ値が一致する二つのメッセージの探索に要する計算量の大きさによる, 探索の困難性のことである。



解答:



ポイント:

衝突発見困難性とは?
ハッシュ関数における「衝突発見困難性」は、ハッシュ値が一致する異なる入力メッセージを見つけることが難しいことを指します。

具体的には、異なる入力メッセージで同じハッシュ値が生成されることが困難である性質です。

この性質により、ハッシュ値を利用してデータの一意性を確認することや、データの改ざんを検出することが可能となり、セキュリティやデータの整合性を確保するのに役立ちます。

原像計算困難性(Preimage Resistance)
原像計算困難性(Preimage Resistance)は、ハッシュ関数や暗号学的ハッシュ関数の性質の一つであり、与えられたハッシュ値から元の入力データ(メッセージや値)を逆算することが極めて困難である性質を指します。

つまり、ハッシュ値から元の入力データを復元するのは非常に難しいということです。

原像計算困難性が確保されているハッシュ関数では、ハッシュ値から元の入力データを逆に計算することは実質的に不可能に近いです。

この性質は、データのセキュリティやプライバシーを保護し、暗号学的な応用やデジタル署名などのセキュリティプロトコルで重要な要素として使用されます。

原像計算困難性が備わっていないハッシュ関数では、攻撃者がハッシュ値から元のデータを計算し、セキュリティ侵害やデータ改ざんなどの攻撃を行う可能性が高まります。

したがって、セキュリティに関連するアプリケーションでハッシュ関数を選ぶ際には、原像計算困難性が確保されていることが重要です。



関連資料:


更新日:2023-09-11